2013/10/10

「もりのへなそうる」






ここ何年か絵本集めが趣味。


絵本は子供に読み聞かせるものだと思いがち。



しかし、大人こそ読むべきものだと僕は思う。





そこに書いてある内容は、


とてもシンプルに人生における「大切」なものが、


詰まっているのだ。






将来生まれてくる僕の子供に、


毎日読み聞かせたいが為に集めている絵本。





ここ何年も探して続けていた絵本が、


なんと中野のBOOK OFFにあった。






それは、「もりのへなそうる」







1971年に創刊されたこの絵本は、



僕にとってとても大事な絵本。



兄弟が森にいる恐竜を探しに行くという物語。







思い起こせば幼稚園まで遡る。


両親が共働きだった為、近所に住んでいた祖父の家に毎日通っていた。




祖父はこの絵本を僕に買い与え、


毎日の様に読み聞かせてくれた。





幼稚園児の僕は本当に恐竜がいると思っていた。



週末になると、


祖父はいるはずのないそれを一緒に探しに行ってくれた。





「どこにいるんだろうね?」


「みつけたらともだちになってくれるかね?」





結局恐竜は見つけられなかった。




30年経った今も、


その事は鮮明に憶えているし、


僕にとって大切な大切な思い出だ。






その頃に読んでいた「もりのへなそうる」のその後は、


正直どこにあるのかは知らない。


捨ててしまったかもしれない。






それ以来、



古本屋に行けば、「もりのへなそうる」を探す事が、



僕の楽しみであり、ある意味使命だと思っていた。







そしてついに、ついに見つけたのだ。





手に取って久しぶりに速読してみると、



人間って不思議なものだ。



記憶の底に残っているいくつもの思い出が蘇ってくる。







それと共に、



色々な事を「ありがとう」って伝えられずに他界した祖父を思い出し、



人目をためらわず涙した。







その日の夜、僕はベッドの上でこれをゆっくり読んだ。






あの頃の僕は、



ただ恐竜と友達になりたいという気持ちだけだった。





大人になった今この本を読むと、



言い過ぎかもしれないが、



人生における「大切なもの」のすべてが書かれている様にも思える。






自分の子供には絶対読み聞かせたいし、



あの頃の祖父の様に、


子供と一緒に恐竜を見つけに行きたい。




それが僕の夢。







僕の絵本集めはまだまだ終わらない。



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